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ツマグロヒョウモン Argyreus
hyperbius (1) |
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● 明るい堤防天端で雌が現れるのを待つ (2009.4.9)
棚田奥のため池堤防に登り詰めたところ、明るい天端に、この雄蝶が縄張りを張っていて、ときどき舞い上がっては、元の位置に舞い降りていました。そんなことやって相手はいるのと思いながら、池に沿った林縁を歩いていると、いました。雌蝶が。無駄なことはやっていなかったようです。
以前は珍しい蝶だったのに、今ではどこでも見られる最も身近な蝶になりました。日本産ヒョウモンチョウ類でこの蝶のように、年数回も世代を繰り返す種はいないですね。わが家の庭でも、背中に赤い筋の通った黒い幼虫が、真冬にさえ見られるほどで、野生のスミレ類だけでなく、パンジーでも育つ食草選択の幅広さが追い風になっているのでしょう。 暖温帯、亜熱帯的環境を主な生活圏として、西はアフリカのアビシニアから東はオーストラリアにかけて広い範囲に分布、わが国は本種の分布北限になっています。
(青野孝昭)
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総社市清音黒田 (2009.4.9) |
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ツマグロヒョウモン Argyreus hyperbius (2) |
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● 見事な幼虫の保身術 (2009.7.15)
冬から春にかけて花を咲かせてくれたパンジー。例年、植え替えをしていたプランターの一つはツマグロヒョウモンのためにと残しておきました。期待通り、幼虫が育っていました。母蝶が産卵してくれていたようです。
見るからに派手な色彩と恐ろしいような棘状突起物を備えています。本当は、さわっても痛くないし、毒も持っていないのに。生き残りのための騙しなのですね。上等!(青野孝昭)
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倉敷市大内 (2009.7.15) |
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ツマグロヒョウモン Argyreus hyperbius (3) |
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● 産卵シーンを見せてくれました (2009.8.3)
ふと、庭を見るとツマグロヒョウモンのママさんが地面すれすれを小刻みに羽ばたきながら飛んでいました。そう。違いない。カメラを持って出なくちゃ。間に合うかな。
陽当たりのよい部分はコケが育たず、日頃から地衣類と雑草の領分となっています。折あるごとに雑草は抜きますが、スミレだけは残すようにしておきます。今は夏枯れの季節。貧弱な株しかないのに、翅を少し開き、腹部を曲げては、そこここに卵を産み付けていました。でも、これでは幼虫が飢えてしまいそう。親切のつもりがあだになって、ママさん、ごめんね。あわてて撮してボケボケ記念写真になってしまったことも。(青野孝昭)
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倉敷市大内 (2009.8.3) |
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