倉敷昆虫同好会
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虫たちの素顔
 
 ニイニイゼミ Platypleura kaempferi (1)
 

 泥を被っていません (2010.7.11)

 半世紀以上も前の子供時代、ニイニイゼミはちょっとした屋敷の庭にでも入ると多数の個体が、ちっ、ちっ、と声を発しながら飛び交うような景色がありました。現在、倉敷地方の平地で発生する個体数は随分少なくなっているような気がします。
 写真の抜け殻は、大正時代に築造された治水用堤防の犬走りにそびえる苔むしたケヤキ大木の幹に残されていました。首尾良く羽化に成功したのでしょう。ニイニイゼミの抜け殻は泥を被っていると言われるのに、この個体にはそれが見られません。堤防築造の折、河川敷特有の川砂がそこに多く埋もれていたことが想像されます。(青野孝昭)

ニイニイゼミ 岡山県倉敷市酒津 (2010.7.11)
岡山県倉敷市酒津 (2010.7.11)
 
 ニイニイゼミ Platypleura kaempferi (2)
 

 岩にしみ入るような鳴き声の主 (2010.7.20)

 松尾芭蕉の著書「奥の細道」に、「閑さや岩にしみいる蝉の声」という名句があります。このセミは何ゼミか。昭和の初期に歌人、斎藤茂吉と芭蕉の研究家、小宮豊隆が大論争。茂吉はアブラゼミ、小宮はニイニイゼミといずれも譲らず。結局、昆虫学者が俳句の詠まれた日にちと、セミの発生期から考えて、それはニイニイゼミであると断。茂吉は「参った」と、自分の過ちを潔く認めた、さわやかな逸話が残っています。
この日、ソメイヨシノの幹に止まっていた個体を見逃すところでした。樹皮の色とそっくりで、見事な隠遁色。こうでなければ生き残れません。(青野孝昭)

ニイニイゼミ 岡山県倉敷市酒津 (2010.7.11)
岡山県倉敷市酒津 (2010.7.11)
 
 
 
 

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倉敷昆虫同好会事務局
〒710-0051岡山県倉敷市幸町2-30しげい病院1階倉敷昆虫館研究室内
 
電話:086-422-8207 
E-mail:
kurakon@shigei.or.jp

 
倉敷昆虫館はしげい病院の1階にあります。展示および収蔵標本は主に倉敷昆虫同好会員による半世紀以上の調査活動の成果によるものであり、そのうち3200種14000点を展示しています。  
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