● 背泳の名手 (2010.2.8)
春らしい日差しを受けた山裾の小さな池に、この個体がいました。
水面よりわずか下で、やや頭を下げ、仰向けの状態で静止していました。ミズムシのように物につかまらなくても、水中のどこででも静止できる背泳ぎの名手です。前脚、中脚には爪と刺があって捕獲用に、後脚はオール型になって遊泳用に適しています。腹部の長毛の間などに空気を蓄え、空気呼吸と中性浮力保持を見事にこなしていて、潜水艦以上と言われる浮力調節システムを作り上げている進化の妙に驚かされます。
カメムシ目の水生昆虫で鋭い口吻を持ち、オタマジャクシや小魚、他の昆虫などを捕らえて体液を吸います。成虫で越冬。日本と韓国、ロシア極東部に分布。(青野孝昭)
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総社市清音黒田 (2010.2.28) |
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