●東南アジア最大のカブトムシ!「コーカサスオオカブト」
光沢を有した黒光りのボディーと大きく湾曲した胸角に上に反り上がった頭角。幼い頃に買ってもらった小学館の学習百科図鑑「世界のカブトムシ」で、このChalcosoma属のカブトムシを始めて見て幼いながら激震が走りました。当時、外国のカブトムシは、夏休みのデパートの企画や博物館でしか目にする事が出来ませんでした。
大人になったらこの虫がいる国に行って絶対、採ってやる。と何度!思った事か。カブトムシの標本にノコギリクワガタの湾曲したオオアゴを付けてこんな感じなのかな?とか色々と創造し変な標本を、作ってみたりしていました。
時は経ち、大人になり南西諸島をうろうろとし昆虫採集旅行して経験を積み、いよいよ始めての海外へ行く決心をしまして、幼なじみの友人といざ!マレーシアへ。日本から飛行機で6時間、クアラルンプール国際空港へ空港からタクシーで4時間、コーカサスオオカブトの生息エリアのキャメロンハイランドのメインタウンのタナラタへ。そこから現地ガイドと待ち合わせをして車で1時間、キャメロンハイランドのブルベリと言う町に行き、そこからジャンルに入り、コーカサスオオカブトの灯火採集ポイントへ。ポイントへ付くなり現地の採集人と合流。用意している発電機を起動させ水銀灯を点灯。後は、ひたすらコーカサスオオカブトが飛来するのを待つ。日没後から夜の23時くらいまでが昆虫の飛来する時間帯だという。最初は蛾やスズメバチや蝉が飛来していたが、そのうち甲虫類が混ざってくるようになりそうしてるうちにいつの間にか、バタバタと大きな羽音が聞こえてきたなと思ったら地面にボテッと落下。なんとそこには、憧れのスリーホーンビートルが、現地では「コーカサス」または「スリーホーンビートル」と呼ぶ。
日本から6000キロ!ついに憧れのカブトムシを、自分の手で採集できた事に幼い頃からの夢を叶える事が出来た瞬間でした。
翌年には夜のタナラタで晩御飯を食べ、ぶらぶら街を散策していたら、ゴミステーションの横の水銀灯で♂と街中の駐車場で♀?を拾いました。虫がほとんど居なくなったと言われるタナラタでも条件が整った日には、大型の虫が飛来するのだな思いました。 (安田 剛長)
|