● カラスノエンドウの花から蜜を (2009.4.5)
成虫態で冬を過ごしてきたとは思えないほど、新鮮な感じのする個体に遭遇しました。
タテハチョウ科と違って、シロチョウ科のキチョウは6脚をすべて使い、特に前脚先端の爪をカラスノエンドウの花弁に引っかけ、蜜を吸おうと口吻を曲げているところに、芸の細やかさを感じます。
ネムノキやニセアカシアなどの木本やメドハギ、ヤハズソウなどの草本を幼虫の食餌植物としていますので、山野に広く生息していて、もっともよく目にとまるチョウだと思います。年数回発生し、成虫態で越冬します。
ところで、日本に分布しているキチョウには2種含まれていたことが、最近の研究によって明らかにされ、私たちにごく身近なキチョウの学名はEurema
hecabeの亜種、mandarinaとして扱われていたのが、独立した別種、Eurema
mandarinaとして扱われるようになりました。真のEurema hecabeは奄美大島以南に生息し、国外ではエチオピア区(アフリカ)や全インド・オ−ストラリア区に広く分布するそうです。
(青野孝昭)
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倉敷市羽島 (2009.4.5) |
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