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キアシハナダカバチモドキ Stizus pulcherrimus (1) |
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● 森林の多い国内では生息地が限られます (2010.7.21)
草がまばらに生えた裸地にこの雌がいました。腹部第6節背面に小黄白斑があります。
アナバチ科に属する中型の美しいハチです。環境省レッドリストではカテゴリー、準絶滅危惧に、岡山県レッドデータブック2009ではカテゴリー、留意にランク付けされています。
モンゴルから極東ロシア、中国、朝鮮半島を経て日本にまで分布していますが、国内では本州、四国、九州の限られた地域に局所的に生息。中小型のバッタ類やササキリなどを狩って子どもの餌にします。(青野孝昭)
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岡山県倉敷市酒津 (2010.7.21) |
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キアシハナダカバチモドキ Stizus pulcherrimus (2) |
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● 雄は雌の側から離れません (2010.7.25)
雌が巣穴を掘っている同じ場所にいた雄です。腹部第6節背面の黄白斑は横長でつながっています。縄張り意識が強く、雌の動きを見守っていて、他のハチが近づくと追い払います。(青野孝昭)
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岡山県倉敷市酒津 (2010.7.25) |
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キアシハナダカバチモドキ Stizus pulcherrimus (3) |
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● 狩りも始まりそう (2010.7.30)
雌の巣穴づくりは大分進行したようで、右上には巣穴の安全のために偽穴もちゃんと作っています。ただし、ここのコロニーは大変小さいようで、2匹の雌が働いている姿が見られるのみです。そのうちの1匹の背面に、雄が交尾しようと乗りかかって行きましたが、この時は不首尾に終わりました。
狩りも始まっているようです。次回は腰を据えて観察しなくては。(青野孝昭)
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岡山県倉敷市酒津 (2010.7.30) |
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キアシハナダカバチモドキ Stizus pulcherrimus (4) |
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● 獲物搬入後巣穴をふさぎ、狩りに出ます (2010.8.1)
この日は、時間を掛けて観察しようと、折りたたみ式フィッシングチェアを持参して現場に到着したのが8:44でした。8:47現在、1匹の雌が既に獲物を搬入し終えており、後ろ向きに土粒をはね飛ばし巣穴の仮ふさぎ完了直前です。この後、勢いよく狩りに飛び立って行きました。(青野孝昭)
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岡山県倉敷市酒津 (2010.8.1) |
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キアシハナダカバチモドキ Stizus pulcherrimus (5) |
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● 寄生バエが産卵のチャンスを窺っています (2010.8.1)
8:51:偽穴の近くで寄生バエが、産卵のチャンスを狙って待機しています。油断がなりません。寄生バエも交尾活動を行っていました。(青野孝昭)
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岡山県倉敷市酒津 (2010.8.1) |
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キアシハナダカバチモドキ Stizus pulcherrimus (6) |
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● 獲物は抱きかかえて飛んで運びます (2010.8.1)
9:01:オンブバッタの幼虫を抱きかかえ、帰ってきました。狩りに出てから14分ほどで、意外の早さに感心しました。獲物は麻酔しているようでびくとも動きません。せわしく、巣穴の入口を掘り返して運び入れます。獲物が小さいので、何回も狩りに出なくてはならないようです。(青野孝昭)
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岡山県倉敷市酒津 (2010.8.1) |
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キアシハナダカバチモドキ Stizus pulcherrimus (7) |
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● 早く巣穴をふさがないと危険がいっぱい (2010.8.1)
巣穴は深く掘られ、支坑が作られ、そこが育房になっているそうですね。
9:07:巣穴から出てきて、また、入口をふさぎます。前脚を活発に動かして、土粒を背後の巣穴の入口附近へはね飛ばしています。(青野孝昭)
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岡山県倉敷市酒津 (2010.8.1) |
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キアシハナダカバチモドキ Stizus pulcherrimus (8) |
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● これで良しと (2010.8.1)
9:08:巣穴が完全にふさがれたことを確認。この直後、再び、狩りに出掛けて行きました。(青野孝昭)
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岡山県倉敷市酒津 (2010.8.1) |
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キアシハナダカバチモドキ Stizus pulcherrimus (9) |
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● 30分かかった狩り (2010.8.1)
9:38:再び、オンブバッタの幼虫をを狩って帰ってきました。今回は、狩りに要した時間がざっと、30分かかりました。獲物は中脚で抱え、前脚で入口付近をふさいでいた土粒をかき分けて巣穴を開けます。(青野孝昭)
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岡山県倉敷市酒津 (2010.8.1) |
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キアシハナダカバチモドキ Stizus pulcherrimus (10) |
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● 獲物も大物だとやりがいがありそう (2010.8.1)
9:53:コロニーの隣の巣で活動していた雌は8:48に狩りに出たまま、なかなか帰ってきませんでした。ところが、1時間と5分を要して、持ち帰ったのはなんとショウリョウバッタ雌の幼虫でした。重い幼虫の運搬、大変だったことでしょう。ちょっと慌てたのか幼虫の頭部がのけぞり、触角も地面に支えています。この後、体勢を修正して上手に巣穴へ入れましたが、このくらいの大きさの獲物だと、狩りの回数は少なくて良さそうです。
獲物選びも個性とチャンスで左右されることがわかりました。(青野孝昭)
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岡山県倉敷市酒津 (2010.8.1) |
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