倉敷昆虫同好会
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虫たちの素顔
 
 ヒメアカタテハ Cynthia cardui 
 

  移動性の強い広分布域種 (2010.10.16)

 汎世界種して知られるとともに、ヨーロッパなどでは大きな群になってドーバ海峡を渡ったとか、移動性の強い種としても知られています。
 開けた草原や荒原がお好みの生息地で、この個体も明るい堤防の裸地で幼虫の食草の一種、ヨモギの傍で翅を開いて止まっていました。しかし、日本では広大な草原や荒原に乏しく、大集団を形成して大移動をしていたという話は聞いたことがありません。
 寒冷な土地では越冬ができず、温暖な土地で越冬した個体がもとになって、毎年、世代を繰り返しながら、分布を広げる移動は行われているようです。 (青野孝昭)

ヒメアカタテハ 岡山県赤磐市徳富 (2010.10.16)
岡山県赤磐市徳富 (2010.10.16)
 

ヒメアカタテハCynthia cardui (2)

 

 越冬の準備をするチョウ (2011.11.30)

 このチョウチョ、寒冷な土地では越冬ができません。この日、酒津で、元気な成虫がツワブキの花を訪れ、蜜を吸っていました。年内の遅い例では、岡山市内で12月26日に成虫がサザンカの花から吸蜜していた観察例もあります。また、倉敷市内や岡山市内で、新年の1、2、3月に幼虫の観察例があり、2、3月に成虫の観察例もあります。こうしたことから、岡山県南地方では、本種が越冬できることがうかがえます。(青野孝昭)

アブラゼミ 倉敷市酒津 (2009.7.23)

 岡山県倉敷市酒津(2011.11.30)

 

ヒメアカタテハCynthia cardui (3)

 

 もうすぐ蛹になるようです (2012.5.24)

 高梁川の河原に生えているヨモギの葉を巻いて巣を作り、その中に隠れていました。まるまる太った終齢幼虫で、もう、蛹化が近いようです。人が余り立ち寄らない河原の一角で、平穏に育っていました。折角の隠れ家を開いて、迷惑をお掛けしました。
春に産み付けられた卵から育ったのでしょう。当地では、ヒメアカタテハが越冬できることを、実証していました。(青野孝昭)

ヒメアカタテハ(3)

 岡山県倉敷市酒津(2012.5.24)

 
 
 
 
 

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倉敷昆虫同好会事務局
〒710-0051岡山県倉敷市幸町2-30しげい病院1階倉敷昆虫館研究室内
 
電話:086-422-8207 
E-mail:
kurakon@shigei.or.jp

 
倉敷昆虫館はしげい病院の1階にあります。展示および収蔵標本は主に倉敷昆虫同好会員による半世紀以上の調査活動の成果によるものであり、そのうち3200種14000点を展示しています。  
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