倉敷昆虫同好会
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虫たちの素顔
 
 アブラゼミ Graptopsaltria nigrofuscata (1)
 

 少数化が進んでいる? (2009.7.23)

 クマゼミの個体数増加と裏腹に、アブラゼミの方は近年、めっきり減っているようですね。酒津公園でも桜並木を季節に歩くと、そこここからたくさんのアブラゼミが飛び立っていました。この日はぐるりと回ってみて、この個体に出会えたのがやっとでした。

日本と朝鮮半島、中国に分布が知られています。  (青野孝昭)

アブラゼミ 倉敷市酒津 (2009.7.23)
倉敷市酒津 (2009.7.23)
 
 アブラゼミ Graptopsaltria nigrofuscata (2)
 

 アブラゼミのミイラが (2010.1.4)

 桜並木を1本1本見て回っていました。すると、根元近くから二股に幹が分かれた古木の分岐点近くの間隙ににアブラゼミのミイラが見つかりました。形に欠損は殆どありませんが複眼は白く色あせ、体表全面は光沢を失っています。
どうして、今も幹に止まった状態なのか不思議に思ってよく見ると、口吻が幹に突き刺さったままです。周りはヤニっぽい物質で覆われています。そうか。樹液を吸おうと口吻を差し込んだまでは良かったものの、抜く段になってそれがかなわなかったのかも。いかんともしがたく、ここで壮絶な最期を迎えたのかも知れないなあ。(青野孝昭)

アブラゼミ 倉敷市酒津 (2010.1.4)
倉敷市酒津 (2010.1.4)
 
 アブラゼミ Graptopsaltria nigrofuscata (3)
 

 セミの不運とアリの幸運 (2010.7.16)

 この日、苔むしたケヤキ大木の幹に、羽化に失敗したアブラゼミの姿がありました。それでも、成虫の色ははっきりと出ています。命は絶え、オオズアリの一群に取り巻かれていました。目玉の上では一匹の働きアリが手を挙げて幸運を喜んでいるようです。殻の腹部下端には、頭部と胸部を切り裂く役をしたと思われる頭の大きな兵アリが見えます。頭部と胸部の境から、ぽっかり空いた体内には沢山の働きアリが入っていて、筋肉を食いちぎっては運び出しているようでした。アリの名前は元倉敷市立自然史博物館館長の近藤先生に教えて貰いました。(青野孝昭)

アブラゼミ 岡山県倉敷市酒津 (2010.7.16)
岡山県倉敷市酒津 (2010.7.16)
 
 
 
 
 

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〒710-0051岡山県倉敷市幸町2-30しげい病院1階倉敷昆虫館研究室内
 
電話:086-422-8207 
E-mail:
kurakon@shigei.or.jp

 
倉敷昆虫館はしげい病院の1階にあります。展示および収蔵標本は主に倉敷昆虫同好会員による半世紀以上の調査活動の成果によるものであり、そのうち3200種14000点を展示しています。  
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