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重井薬用植物園
岡山県倉敷市浅原20
TEL:086-423-2396
FAX:086-697-5865
E-mail:shigeihg@shigei.or.jp

 

植物園便り

5月の活動(2024.6.19)

園長からの一言

今年はトキソウの花はあたり年ではなかったですが、ところどころ、かたまって咲いているところがあり、見応えがありました
24日:群れ飛ぶ?トキソウ
植物園を楽しむ会の開会時に、園内のトウネズミモチのてっぺんでギョギョシ、ギョギョシと大声で鳴いていたオオヨシキリ
26日:夏を告げるオオヨシキリの大声

5月4・5日は、毎年恒例の「ショウブ プレゼント&ミニ観察会」を開催しましたが、なぜかこの観察会の日は妙に暑くなることが多く、今年もやはりというか、どういうわけか、両日とも植物園内の温度データで30℃越えの夏日となりました。しかし、今年は暑くなることを予測していましたので、ショウブ池前の木道デッキではなく、少し離れた大クスノキの下でショウブの解説を行ったところ、梢の下を吹く風が爽やかで、大変好評でした。その後、5月中に夏日となった日は3日のみで、そこそこ暑い日もあったのですが、朝晩は10℃を切ることも多く、寒暖差が大きい日が多かった印象でした。

また、5月はサクラソウやハマウツボの観察会のほか、岡山県関係や研究者等の調査に同行するなど、園外での活動が非常に多くなりました。6日の真庭市蒜山でのサクラソウの観察会は、残念なことに悪天候(強風)により中止となってしまいましたが、サクラソウが盗掘されたと思われる跡が見つかっていたので、岡山県や真庭市などの行政関係者、真庭警察署の署員などと共に確認を行いました。また、この日は午前中にサクラソウの観察会、午後には国内希少野生動植物種、フサヒゲルリカミキリの保全活動イベント(個体数維持のための食草の移植)を予定していたのですが、こちらも中止になってしまったので、関係者のみでおよそ300株を移植しました。

フサヒゲルリカミキリの個体数維持のための食草(ユウスゲ)苗の育成は、2017年から蒜山産の種子を用いて行っており、2024年現在までに1,832株を蒜山にお返ししています。まだ移植していない株もあり、すべてを移植したわけではありませんが、現在育成している株を含めれば、2,000株の大台到達が目前になっています。植物園がこのような形で、植物だけではなく希少昆虫の保護にも取り組んでいることについても今後アピールしていきたいと考えています。

 

来園者(見学者)総数:130
見学・観察会等(61名)
5/4 毎年恒例、ショウブとアヤメの仲間についての解説とショウブの葉をプレゼントするイベントです。ショウブを採取する参加者「端午の節句は菖蒲湯を楽しもう!ショウブプレゼント&ミニ観察会」(1日目),参加者14名
5/5 「端午の節句は菖蒲湯を楽しもう!ショウブプレゼント&ミニ観察会」(2日目),参加者11名

2日間とも非常に天気が良く、暑かったので、解説は涼しい木陰で行いました 5日には倉敷ケーブルテレビの取材がありました。 インタビュー撮影中の様子

5/13 見学4名(倉敷市真備町2,東京都2)
5/18 来園3名(倉敷市立自然史博物館友の会幹事3名,行事相談に来園)
5/24 見学2名(植物園ボランティア1,東京都1)
5/26 定例観察会 植物園を楽しむ会141「緑さす森に咲く花を楽しむ」開催,参加者26名

マイヅルテンナンショウの花がちょうど盛りで、たくさんのツルが舞い踊っているような姿を楽しむことができました 園芸種がよく生垣に使われるイヌツゲですが、実は雌雄異株の樹木です。 小さな花ですが、雄花と雌花の違いを観察中

5/29 来園1名(NHK岡山放送局,番組制作について相談に来園)
その他の来園者
ボランティア・・・のべ69名

 

園外での調査・講演・観察会などへの参加など各種活動
5/2 新見市 サクラソウ調査(研究用試料サンプリング)
新見市 希少植物自生地 生育環境調査
5/3 岡山県からの依頼で、サクラソウの試料サンプリングのため、岡山県内に残る自生地を巡りました。写真は蒜山某所真庭市 サクラソウ調査(研究用試料サンプリング)
5/6 悪天候のため、予定していた観察会は中止になりましたが、行政関係者などとサクラソウの盗掘疑いの現場を確認しました。「サクラソウと蒜山の春」・「ユウスゲ苗の移植活動」(真庭市蒜山上徳山)、悪天候(強風)のため中止、行政関係者・真庭警察署員等と共にサクラソウの盗掘疑いの現場確認および対応協議
本来は観察会の中で委嘱を行う予定でしたが、観察会中止のため、シェアオフィス蒜山ひとときの一角を借りて行われました岡山県希少野生動植物保護条例 指定希少動植物(サクラソウ)保護専門員・巡視員 委嘱式(シェアオフィス 蒜山ひととき)
午後は雨の止み間があったので、有志でフサヒゲルリカミキリの個体数維持のため、ユウスゲ苗の移植作業を行いました蒜山自然再生協議会関係者および一般ボランティア計6名でフサヒゲルリカミキリ保全のためのユウスゲ苗(300株)移植作業
5/12 吉井川河川敷 ハマウツボ自生地 5/19観察会下見(岡山市東区西大寺浜)
5/17 昨年12月に落葉かきなどの保全活動を行った希少植物自生地などを再訪し、保全活動の効果を確認しました植物園ボランティア研修会(新見市豊永・草間地域,真庭市上水田地域),ボランティア5名参加
5/18 街なかの公園での初心者向け観察会です。 カミキリムシの仲間やクサカゲロウの幼虫など、様々な生き物が見つかりました「倉敷みらい公園で生き物さがし2024年5月」開催,参加者51名(倉敷市立自然史博物館,同友の会と共催)(倉敷市寿町)
5/19 「第10回!ハマウツボと砂地のいきもの観察会」開催,参加者 約25名(吉井川 ハマウツボ・ネットワーク,岡山市立西大寺公民館と共催)(岡山市東区西大寺浜)

今年は他の植物同様、ハマウツボも予想より開花が早かったのですが、何とか花が残ってくれていました 吉井川の川岸の砂干潟ではハクセンシオマネキやアシハラガニなど、カニの仲間を中心に様々な生き物が見つかりました

5/21・22 高梁川河川敷 ハマウツボ・カワラヨモギ分布状況調査(総社市)
5/24 希少植物(ハマビシ)保護地管理作業(除草・播種)(倉敷市玉島黒崎)
5/28 植物研究者 植物サンプリング調査 同行
5/30 植物自生地状況 調査(総社市・吉備中央町・高梁市)

 

学会/外部の委員会/役員会への出席・参加など
5/8 蒜山自然再生協議会 2024年度 山焼き振り返り・反省会(オンライン)
5/11・12 生態、植物、動物の3つの学会の中国四国支部が合同で毎年開催している地区大会が岡山大学で行われ、参加しました中国四国地区 生物系三学会合同大会 2024年度岡山大会 参加(岡山大学津島キャンパス)

 

マスコミ取材、情報提供など
5/5 「端午の節句は菖蒲湯を楽しもう!ショウブプレゼント&ミニ観察会」(2日目)、倉敷ケーブルテレビ取材 → 同日夕方の「KCTニュース」で放送
5/6 サクラソウ盗掘疑い 現地確認の様子,真庭いきいきテレビ取材 → ニュース番組「ほっとまにわいどチャンネル」+真庭いきいきテレビYouTubeチャンネルでニュース動画「サクラソウ盗掘防止パトロール」公開
5/11 山陽新聞「エリア広域」,「サクラソウ 真庭の自生地から盗掘か」記事掲載
5/23 山陽新聞「情報ひろば」,5/26「植物園を楽しむ会141」告知 掲載

 

園内の管理作業など
温室エリア
刈払機 草刈り(外部フェンス沿い市道法面等,温室回り,温室北側広場,池周囲,オキナグサ植栽地)/手刈り・草取り・剪定など(ホソバヤマジソ・ジュズダマ プラ船内草取り,ヤマウコギ枝 剪定,外部水路掃除,ウマノスズクサ植栽地)/植物植替え・植栽(タツナミソウsp.,サクラソウ,マルバウツギ,ミヤマウメモドキ,コショウノキ,アマヅル,ヤマブドウ 温室南側ブドウ棚へ植栽,マルバコウツギ,オガルカヤ)/植物播種(イタチササゲ発芽種子をシャーレ→ポットに)/植物採種(ツチグリ)/栽培植物 ポット・鉢・プランター等 水やり/入口わきコブシ コブシハバチ幼虫駆除/温室南 ブドウ棚 金網(トンネルメッシュ)設置/刈草・剪定枝 収集・焼却/ポット・鉢・プランター等 水やり/使用済み ポット・育苗箱 洗浄
湿地エリア
15日:植物園ボランティアによる伐採木の萌芽枝剪定作業(数年前に伐採した樹木の切り株から萌芽した枝が成長したので、太くなりすぎる前に剪定しました)刈払機 草刈り(ショウブ池,大クスノキ下,中広場,奥広場,展望デッキ前,ミソナオシ株周り)/手刈り・草取り・剪定など(中広場 ウスベニチチコグサ 除草,竹林内部・中広場・奥広場 アベマキ等萌芽枝 剪定,ユウスゲ植栽地)/伐採樹木 運搬・枝打ち・細断(玉切り)/モウソウチク伐採・運搬・枝打ち/ハンゲショウ 個体数抑制作業/刈草・剪定枝 収集・焼却
その他
  • 31日:オキナグサ痩果の精選作業(冠毛むしり)(雨が降ったりやんだりの天候のため、温室内でオキナグサの痩果から冠毛(綿毛)をむしる作業をしてもらいました)5日:園内 水質定期調査(電気伝導度など)
  • 31日:種子精選(オキナグサ)

 

その他(貴重植物の寄贈・受け入れ・ウェブサイト更新など)
寄贈等
  • 植物園→外部
    • 3日:蒜山ユウスゲ苗 225ポット(フサヒゲルリカミキリ保全のための移植用)、真庭市 津黒いきものふれあいの里(蒜山自然再生協議会)へ寄贈
    • 6日:蒜山ユウスゲ苗 60ポット(フサヒゲルリカミキリ保全のための移植用)、真庭市 津黒いきものふれあいの里(蒜山自然再生協議会)へ寄贈
    • 28日:ベニウツギ1ポット,植物研究者の方へ寄贈
  • 外部→植物園
    • 21日:ハッカ(総社市,片岡採集)
    • 28日:ヤブウツギsp. (総社市産,片岡採集)/ヨコグラノキ,シソ科sp.(高梁市,片岡採集)
植物園
WEBサイト
更新
  • 8日:「おかやまの植物事典」(「サクラソウ」・「ユウスゲ」改訂)
  • 13日:「開園・イベントカレンダー」・「年間予定表」(6/15「夏の草原保全活動 花咲く草原の夏草刈り」,6/22「植物園を楽しむ会142」開催要項公開)/「現在の見ごろ植物」(トキソウ)
  • 26日:「おかやまの植物事典」(「マツバウンラン」追加,「ハマウツボ」改訂)

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