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重井薬用植物園
岡山県倉敷市浅原20
TEL:086-423-2396
FAX:086-697-5865
E-mail:shigeihg@shigei.or.jp

 

植物園便り

6月の活動(2022.7.17)

園長からの一言

15日:ツマグロキチョウの産卵
15日:オグラセンノウが見ごろに
15日:ツマグロキチョウの産卵
15日:ツマグロキチョウの産卵

6月14日に梅雨入りしたと思ったら、まったく梅雨の実感のないまま、28日には梅雨明けとなってしまいました。園内の気温の記録を見ると、むしろ梅雨入りしたころから、気温がぐっと上がり始めており、下旬にはいると最低気温が20℃を下回ることがなくなり、最高気温も23日に35.5℃を記録したのを皮切りに、たびたび猛暑日(最高気温35℃以上)になるようになりました。夏場の水不足が心配ではありますが、6月に限って言えば、気温が高く雨の日が少なかった代わりに日照がしっかりとあったので、園内の植物は極めて順調に成長、開花していたように思います。むしろオグラセンノウやカキランなどは中旬頃に見ごろを迎えたのですが、開花が順調すぎて予想よりも早く花期が終わってしまったのか、あっという間にほとんど花が見られなくなってしまいました。

5日に開催した「植物園を楽しむ会(芒種の候の水辺を楽しむ)」では、湿地に生育するモウセンゴケを紹介しようと、参加者に指し示したモウセンゴケの花茎に「モウセンゴケトリバ」というガの幼虫が偶然いるのを発見しました。このガの幼虫は、食虫植物のモウセンゴケ類のみを食草にしている「食虫植物を食べる虫」で、植物園ではおそらく初めての確認と思います。偶然ではありますが、思わぬ発見となりました。また、温室エリアではカワラケツメイの生育が順調なためか、例年になくツマグロキチョウ(環境省RL:絶滅危惧IB類)が多く飛び回っており、カワラケツメイの葉に産卵をしている様子も見られました。一方でちょっと困った虫も発生しており、温室南に植えている野生のブドウ、エビヅルに「ブドウスカシクロバ」というガの一種の幼虫が大発生しました。実はこのガも植物園ではこれまで記録がないようでしたが、この幼虫はあまり強くはないものの毒毛をもっているようで、しばしば刺されて痛い思いをするので、やむなく駆除をすることになりました。

 

来園者(見学者)総数:107
見学・観察会等 (46名)
6/1 来園2名(植物園ボランティアの方が知人を案内して園内散策)
6/2 アサヒ観光「野山の植物を楽しむ」ツアー 見学アサヒ観光(広島県福山市)「野山の植物を楽しむ」ツアー 見学24名(添乗員1名を含む)
6/5 定例観察会 植物園を楽しむ会118「芒種の候の水辺を楽しむ」開催,参加者14名

ヒメガマがちょうど開花し、花粉を出していました。 食虫植物のモウセンゴケを食べる虫(蛾)、モウセンゴケトリバの幼虫を解説中に偶然、発見しました

6/10 来園1名(トレイルランニング大会「Forestrail hiruzen-shinjo」 について、意見ヒアリングのため)
6/22 来園4名(岡山県環境保全事業団 情報誌「環境」取材)
6/23 見学1名(倉敷市)
その他の来園者
ボランティア・・・のべ61名

 

園外での調査・講演・観察会などへの参加など各種活動
6/8 8日:植物園ボランティア研修 希少植物生育地 視察植物園ボランティア研修 希少植物生育地 視察(新見市豊永・草間地域)
6/12 岡山県南の大学生や高校生もボランティアとして参加してくれました「夏の草原保全活動 花咲く草原の夏草刈り」開催,参加者16名 (スタッフ含む)(蒜山自然再生協議会,津黒いきものふれあいの里,SAVE JAPAN プロジェクト共催)(真庭市蒜山上徳山)
6/24 ミズアオイ自生地 保全活動 実施,植物園ボランティア・県ミズアオイ保護巡視員,倉敷市環境政策課職員など12名(倉敷市加須山)

事前に刈っておいた草の寄せ集め作業 ヌートリア侵入防止のトタンフェンスの補修作業

 

学会/外部の委員会/役員会への出席・参加など
6/11 倉敷市立自然史博物館友の会 幹事会 出席(倉敷市立自然史博物館)
6/29 蒜山自然再生協議会 第1回総会 参加(オンライン)
SAVE JAPAN プロジェクト 関係者ミーティング(岡山NPOセンター,オンライン)
6/30 真庭市神庭の滝自然公園 指定管理者選定審議会 出席(真庭市勝山)

 

マスコミ取材、情報提供など
6/2 山陽新聞 倉敷総社圏版「重井薬用植物園の四季」(ノイバラ)掲載
6/22 山陽新聞 倉敷総社圏版「重井薬用植物園の四季」(ムラサキ)掲載
6/25 山陽新聞 美作ワイド版「蒜山の草原で夏草刈り」(6/12開催「夏の草原保全活動 花咲く草原の夏草刈り」)記事掲載

 

園内の管理作業など
温室エリア
26日:エビヅルの葉裏にいたブドウスカシクロバの幼虫草刈り作業(西側フェンス沿い,市道法面,市道東 放棄畑,温室周囲)/手刈り・草取り作業(池北側ユウスゲ植栽地 ワラビ・セイタカアワダチソウ抜き取り,東側フェンス外部)/樹木剪定(カラタネオガタマ,クマノミズキ,北~西側フェンスつる植物)/植物植替え(ミズアオイ,ハマゴウ,メガルカヤ,ズミ,オトコゼリなど10種類)/植物植栽(フナバラソウ,タカネハンショウヅル,シラガブドウ雄株,サツマイモ苗)/植物播種(コショウノキ)/エビヅル・シラガブドウに発生したブドウスカシクロバ幼虫 駆除作業/温室西側 散水栓 蛇口交換・散水タイマー・スプリンクラー設置/圃場耕耘//刈草 収集・焼却
湿地エリア
15日:ボランティアによるユウスゲ植栽地での草刈り作業草刈り作業(ショウブ池周り)/手刈り・草取り作業(ミソナオシ株周り,下池 ハンゲショウ生育範囲調整,ショウブ池~木道デッキ間 ハンゲショウ駆除,湿地内 カキツバタ生育範囲調整)/刈草等 収集・焼却
その他
  • 4日:園内 水質(電気伝導度)定期調査
  • 27日:植物園駐車場 周囲トラロープ張替え
  • 随時:種子採集・精選(オキナグサ,イヌノフグリなど)
  • 随時:刈払機チップソー(刈刃)研磨

 

その他(貴重植物の寄贈・受け入れ・ウェブサイト更新など)
寄贈等
  • 植物園→外部
    • 特になし
  • 外部→植物園
    • 27日:エビヅル(雌株)(片岡採集,総社市槇谷)/ サツマイモ苗(総社市の農家の方より)
植物園
WEBサイト
更新
  • 16日:カキランも見ごろに2日:「現在の見ごろ植物」更新(ハンカイソウ)
  • 4日:「開園・イベントカレンダー」・「年間予定表」(7/3「ちょっとアブない?しぜんかんさつ」,7/16「植物園を楽しむ会119」開催要項公開)
  • 5日:「おかやまの植物事典」(「アヤメ」 改訂)
  • 15日:「開園・イベントカレンダー」・「年間予定表」(7/30「みんなでたんけん!夜の昆虫観察会」,8/7「夏の!虫をつかまえてみるかい!」,8/13「倉敷みらい公園の生き物しらべ 2022年夏」開催要項公開)/「現在の見ごろ植物」更新(オグラセンノウ)
  • 17日:「現在の見ごろ植物」更新(カキラン)
  • 23日:「植物園便り」(5月の活動)

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