ヘクソカズラは、アカネ科の多年生つる植物で、日本全国の日当たりが良い場所にごく普通に見られます。和名のヘクソは、ずばり「屁糞」で、葉や茎(つる)をもむなどして傷つけると、強い悪臭がすることに由来します。
臭いと和名はひどいのですが、7~9月頃、筒状になっている花の内部が紅紫色の、長さ1cmほどのかわいらしい花を咲かせます。この花の様子を、「やいと(お灸)」の痕に見立てて「ヤイトバナ」、早乙女(五月女)のかぶる笠に見立てて「サオトメカズラ」との別名もありますが、万葉集にも「屎葛(くそかずら)」の名で登場するくらいですので、1200年以上にわたって、親しまれてきた?植物ともいえるかもしれません。
花には悪臭はなく、つまんでひっぱると簡単に脱落しますので、平開している花冠につばなどをつけ、鼻の頭などにくっつける、ちょっとした草花遊びもできます。ご近所で探してみて、万葉人も驚いただろう、臭いを体験してみるのも良い体験かも?