オオバコは日本全土の道ばたや荒地、山道などに生育する多年草です。和名は「大葉子」で、葉が幅広いことを意味するとされます。オオバコそのものは東アジアに広く分布しており、日本にも元々分布する在来植物ですが、道ばたには外国からやってきた、外来種のオオバコの仲間も生育しています。
その一つが北アメリカ原産の1年草である「ツボミオオバコ」で、全体的に白色の短毛を密生することが特徴です。関東地方以西に帰化しており、どちらかというとオオバコもより乾燥した環境を好むようです。和名は花冠がほとんど開かず、蕾のままのように見えることから名づけられたとされます。
もう一種は、ヨーロッパ原産の「ヘラオオバコ」で、1年草とも多年草ともされます。オオバコやツボミオオバコと比較して大型になり、葉は長ぼそい「へら」形で、長さ30cmにもなります。花は50cmほどの花茎の先に短い穂となって付き、穂の下部から、雌しべが成熟したのち、1cmほどもある雄しべが成熟していくので、まるで線香花火が逆さまになったような、派手ではないですが、面白い形状の花になります。
ちなみに、オオバコ属の植物はほとんどが花粉が風で運ばれて受粉する「風媒」の植物で、花粉症の原因植物でもあります。オオバコ属の花粉症がある方は、観察する際にはお気を付けください。