園長からの一言
21日:植物園の春を告げる代表的な花、オキナグサ |
26日:倉庫の屋根裏から現れたキアシナガバチの集団 |
新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、様々な行事、学会などが中止や延期となっていますが、当園においても、2012年4月から毎月休まず開催してきた定例観察会「植物園を楽しむ会」を初めて開催中止としました。毎年3月は「倉敷の自然をまもる会」が共催となっており、まもる会より野草のお粥の提供があるため、過去の参加者を見ると、およそ70~100人と多くなっており、風通しの良い野外での行事とはいえ、感染リスクが高いと判断したためです。通常の予約見学についても受け入れ中止を検討しましたが、小中学校の臨時休校などにより、外出できない子供たちのストレスが問題となっていたため、植物園内の自然観察や、つくし摘みなどをしていただくことで、ストレス軽減の一助になればと考え、少人数での予約見学については引き続き受け入れることとしました。
園外での保全活動については、真庭市蒜山で行っている草原保全活動(山焼き)を実施したのですが、20日は強風のため22日に延期となり、急きょ山焼きについての研修と、国内希少野生生物 フサヒゲルリカミキリの食草であるユウスゲ苗約1,000ポットの移植作業を行いました。このユウスゲ苗は2017年に同じ草地で採取した種子を当園で花が咲き始める大きさにまで育成したものです。22日の山焼きについては、最初は条件もよく、順調に焼き進んでいたのですが、ちょうど予定面積の半分ぐらいを焼き終わった時点で、雨が降り始め、火が消えてしまい、やむなく中止となりました。そのほか、倉敷美しい森の湿地保全活動については、例年手伝っていただいていた倉敷市の自然保護監視員の方々への声掛けはやめ、植物園ボランティアと、倉敷市の環境政策課職員の方のみで実施しました。
園内ではオキナグサやミツガシワといった春を告げる花々が咲き始めました。31日には、岡山県のウェブサイト上で10年ぶりの改訂となる「岡山県版レッドデータブック2020」が公開されましたが、ミツガシワは、2009年版の「準絶滅危惧」から最もランクの高い「絶滅危惧Ⅰ類」へと変更されました。これは県下最大の自生集団が生息地の湿原の環境悪化によって消滅したことを受けたもので、おそらく現在は、植物園温室エリアの池の集団が、植栽ではありますが県下最大になっているのではないかと思われます。また、気温が上がってきた26日には、倉庫(旧事務所)の屋根裏で越冬していたと思われるキアシナガバチの集団がぞろぞろと現れました。3月5日は「啓蟄」だったとはいえ、さすがに慌ててしまい季節感を感じる余裕はありませんでした。来園者(見学者)総数:70名
見学・観察会等 (37名) | |
3/1 | 来園3名(長崎国際大学 人間社会学部 国際観光学科 教授,書籍出版のための取材に来園) |
3/6 | 来園2名(植物園ボランティアの方,植物寄贈に来園) |
3/14 | 来園12名(倉敷市酒津 里山グリーンクラブ,樹木伐採ボランティアに来園)/来園2名(岡山市,つくし摘みに来園) |
3/18 | 来園2名(倉敷市,見学の予約に来園) |
3/21 | 見学5名(倉敷市3,岡山市2)/来園1名(植物園ボランティアの方,植物写真撮影に来園) |
3/26 | 見学2名(倉敷市)/来園1名(岡山市,つくし摘みに来園) |
3/28 | 見学3名(広島県福山市) |
3/29 | 見学2名(鳥取県鳥取市,大阪府大阪市) |
その他の来園者 | |
ボランティア・・・のべ33名 |
園外での調査・講演・観察会などへの参加など各種活動
3/8 | 山焼き初心者(初回参加者)現地見学・研修会 開催(真庭市 津黒いきものふれあいの里と共催,真庭市蒜山上徳山) |
3/19 | 倉敷美しい森 湿地保全活動(倉敷市曽原)
|
3/20 | 草原保全活動(山焼き…強風のため延期,真庭市蒜山上徳山))/山焼き研修会,ユウスゲ苗 移植作業(真庭市蒜山上徳山)
|
3/22 | 草原保全活動(山焼き…降雨のため途中で中止,真庭市蒜山上徳山)/希少植物保護について地元住民と協議(新庄村)
|
3/26 | ミズアオイ保全についての打ち合わせ(倉敷市役所) |
学会/外部の委員会/役員会への出席・参加など
3/11 | 倉敷の自然をまもる会 理事会 出席(倉敷市役所) |
マスコミ取材、情報提供など
3/9 | 山陽新聞倉敷本社記者,植物園の自然保護活動(山焼き)について取材来園
|
3/15 | 山陽新聞倉敷本社記者,「重井薬用植物園の四季」写真撮影に来園
|
3/31 | 「岡山県版レッドデータブック2020」,岡山県のウェブサイト上で公開(片岡園長が植物分野の一部の解説を執筆) |
園内の管理作業など
温室エリア |
植物植替え(チョウジソウ,ステゴビル,サクラソウ,ビッチュウフウロ,コキンバイザサ,キビヒトリシズカ,ヤマトレンギョウ,チョウジガマズミなど約60種)/植物播種(ユウスゲ,キオン,シデシャジン,ミコシギク)/外来タンポポ・外来チチコグサ類 駆除作業(薬剤塗布)/手刈り・草取り作業(東フェンス沿い ツルニチニチソウ,ハマビシ プラ船内)/栽培用 砂・ビニールポット・苗箱等 熱湯消毒/竹杭 制作(園内伐採モウソウチク利用)/温室北側 ガラス・フレーム 高圧洗浄機で洗浄 |
湿地エリア |
樹木伐採・剪定(ナンキンハゼ,ケヤキ,リョウブ,ヤマコウバシ,ヤマボウシ,カナメモチ,タラヨウ,アカメガシワ,クロガネモチ,ヤブニッケイ,ヤマモモ,アラカシ萌芽)/手刈り・草取り作業(奥広場周辺 カクレミノなど下刈り作業)/伐採樹木枝 収集・焼却/植物植栽(サクラソウ,湿地内部に補植) |
その他 |
|
その他(貴重植物の寄贈・受け入れ・ウェブサイト更新など)
寄贈等 |
|
随時 | 植物園WEBサイト更新
|