- キンミズヒキ(バラ科)
漢名(中国名)、生薬名を「龍牙草(りゅうげそう)」といい、乾燥したものを煎じて口内炎や下痢止めとする。高さ30cm~1mほどになる多年草で、岡山県でも県全域のやや湿り気のある林道沿いなどに比較的普通に見られる。夏から秋にかけ、小さな黄色の花を多数、細長い穂状に咲かせる。果実は曲がった剛毛を沢山持ち、動物や人の衣服にくっついて散布される「ひっつきむし」の一種である。「龍牙草」とはこの果実の曲がった毛を龍の牙に見立てたものとされる。
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- ギンリョウソウ(シャクジョウソウ科)
漢字で書くと「銀竜(龍)草」。落ち葉を分解する菌類と寄生し、養分をもらって成長する寄生(腐生)植物。自分で光合成を行わないため光合成色素を持たず、葉も鱗片状に退化している。草姿を銀色の龍に見立てたとされる。春から夏にかけて出現し、岡山県では全域で見られるが、どちらかというと中部以北で良く出会う。秋にも似た植物が咲いていることがあるが、秋のものは「アキノギンリョウソウ」という別種。
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- リンドウ(リンドウ科)
漢名、生薬名の「竜胆(りゅうたん)」がなまって「りんどう」と呼ばれるようになったとされる。乾燥させた根系を煎じたものを健胃薬として用いる。苦いことで有名な「熊の胆」よりも苦いということで、「竜の胆」と名付けられたという。岡山県でも全域の日当たりの良い草地に生育し、晩秋から初冬にかけて花を咲かせる。詳しくは「園内花アルバム」のリンドウのページをご覧ください。
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- イヌホオズキ(ナス科)
漢名、生薬名を「龍葵(りゅうき)」といい、全草を煎じたものを解熱や利尿薬として、果実の汁を腫れものなどに用いるが、全草、特に果実には毒成分を持つので注意が必要。岡山県でも中部以南の田のあぜや荒れ地などに普通に生育する植物だが、近年はよく似た「アメリカイヌホオズキ」などの良く似た帰化種が分布を広げており、イヌホオズキそのものを見つけることが難しくなっている。詳しくは「園内花アルバム」のイヌホオズキのページをご覧ください。
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- ハダカホオズキ(ナス科)
漢名、生薬名を「龍珠(りゅうじゅ)」といい、乾燥したものを煎じた汁を腫れものの治療に用いるという。イヌホオズキとよく似ているが、別属の植物である。栽培されるホオズキの袋(がくの部分)がない状態なので、「裸ほおずき」と呼ばれる。岡山県では主に吉備高原以北の湿った樹林下や林道、渓流沿いに生育する。
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- リュウノウギク(キク科)
漢字では「竜脳菊」と書き、葉を揉んでにおいを嗅ぐと、東南アジアに生育するフタバガキ科のリュウノウジュの樹脂から得られる香料「竜脳」と似た香りがすることから名づけられたとされる。日本固有の野菊の一種で、岡山県でも日当たりが良く乾燥した草地に比較的普通に分布する。花は直径3~5cmの純白の花で、晩秋に咲く。
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