11月12日(土)11~12時に、しげい病院南館屋上にて、美観地区の旧家の屋根より救出し、移植したツメレンゲの観察会を22人の参加者と共に開催しました。10月中旬より、ツメレンゲが開花を始めたことを受けて計画した観察会でしたが、予想より早く開花が進み、この日には残念ながら花のピークは過ぎてしまっており、まだつぼみの株もありましたが、当日はタイミング悪く、わずかな花が咲いているだけとなっていました。
花盛りの様子は観察できませんでしたが、参加者の方々には、片岡園長から移植の経緯や、本瓦葺きの屋根の代替地としてビルの屋上を利用することで、ツメレンゲが倉敷市街地で生き残れるという保護活動の意義、ツメレンゲは子株や実生から数年かけて成長し、開花・結実すると株が枯れてしまう、多年草だが、一年草の生活史を持つ植物であることなどを詳しく解説したほか、発芽したばかりのツメレンゲの実生や、顕微鏡を用いてツメレンゲの果実の中にある未熟な種子の様子を観察するなど、ツメレンゲの生態や特徴について理解を深めていただきました。
また、観察会自体を一応終了したあとは希望者を倉敷昆虫館までご案内し、ツメレンゲの仲間を食草とし、倉敷市街地からは姿を消した絶滅危惧種のチョウ、クロツバメシジミの標本などを見て頂きました。昆虫館の小野館長からも急きょ、館内の解説をしていただけましたので、参加者の方々には満足していただけたのではないかと思います。
▲前日までとはうって変わって良い天気に恵まれました。 | ▲残念ながら花はほぼ終わり。つぼみ・花・実と全部観察できたと考えれば良かった…かも? |
▲ツメレンゲの特徴や生態について写真を用いて解説しました。 | ▲小さな小さなツメレンゲの種子を顕微鏡を使って観察しました。 |
▲観察会終了後、希望者は倉敷昆虫館へ。クロツバメシジミの標本を観察中。 | ▲昆虫館の小野館長からも館内の展示等について解説をしていただきました。 |