ツメレンゲはベンケイソウ科の多年草で、日当たりが良く、乾燥した岩の上や石垣の隙間、屋根瓦の間に生育します。生育地となる岩場や石垣、瓦の下に土を敷いて瓦を葺く「本瓦葺き」の屋根が減少するなど、生育環境の悪化によって全国的に少なくなりつつある植物です。
重井薬用植物園では、建物の改修工事により消滅の危機にあった倉敷美観地区の旧家の屋根に生育していたツメレンゲを、倉敷市立自然史博物館友の会と共同で救出し、創和会の全面的な協力により、今年9月10日、しげい病院の南館屋上に、市民の方々と共に移植しました。
その後、ツメレンゲは無事に定着し、10月14日ごろから長く伸びた花穂に小さな白い花を咲かせ始めています。また、植栽場所の周囲には、ディスプレイとして「本瓦」が設置され、かつての生育場所(本瓦葺きの瓦屋根)の雰囲気が再現されています。12月上旬ごろまでは花を観察できますので、ぜひ南館屋上でツメレンゲの花を間近に観察してください。
また、11月12日(土)11~12時には、ツメレンゲの花を観察する臨時観察会を開催する予定ですので、ぜひご参加ください。(11時までにしげい病院玄関前においでください)
▲9月10日に市民の方と共に移植作業を行いました。 | ▲周囲には瓦を配置し、屋根の雰囲気を再現しています。 |