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植物園便り

ツメレンゲを瓦屋根からビルの屋上へ- 創和会の自然保護活動 -(2011.10.3)

しげい病院南館の屋上庭園に、環境省の2007年版レッドリストで「準絶滅危惧」とされている「ツメレンゲ」という植物の保護のために移植作業を行う催し「絶滅危惧植物 ツメレンゲをまもろう!」を9月10日(土)、倉敷市立自然史博物館友の会との共催で開催しました。

ツメレンゲはベンケイソウ科の多年草で、日当たりが良く、乾燥した岩の上や石垣の隙間、屋根瓦の間に生育します。生育地となる岩場や石垣、瓦の下に土を敷いて瓦を葺く「本瓦葺き」の屋根が減少するなど、生育環境の悪化によって、全国的に少なくなりつつある植物です。

今回、移植したツメレンゲは、倉敷美観地区の旧家の屋根に生育していたものですが、建物の改修工事が行われることとなったため、倉敷市立自然史博物館友の会と重井薬用植物園によって救出され、植物園に仮植えして移植先を探していましたが、創和会の全面的な協力により、しげい病院の屋上へ移植することになったものです。

当日は、一般市民16人の参加のほか、新聞、TV、ラジオなどマスコミ各社の取材がありました。参加者は移植方法についての簡単な説明を受けたあと、約300株のツメレンゲの移植作業を行いました。作業終了後、ツメレンゲの解説板の除幕を行ったのち、片岡園長からツメレンゲについて、改めて写真を使った詳しい解説を受けました。その後はしげい病院本館8Fにある倉敷昆虫館に移動し、倉敷からはすでに姿を消したツメレンゲの仲間を食草とする絶滅危惧種のチョウ「クロツバメシジミ」の標本の観察と解説を昆虫館の小野館長より受けて解散となりました。

移植されたツメレンゲはしげい病院南館屋上で、クロツバメシジミの標本は倉敷昆虫館でどなたでも見ていただけます。ツメレンゲは10~11月ごろには花を咲かせる見込みです。倉敷の街並みと人々の生活と共に生きてきた植物と昆虫をぜひご覧になってください。

ツメレンゲ ツメレンゲ

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