皆さんご存じのとおり、創和会の施設の一つである重井薬用植物園は、前理事長の故重井博先生が倉敷市浅原の山野に、昭和39年より整備を開始した自然植物園です。園内には岡山県内に自生する樹木や草本類、また昆虫の食餌植物などを多種類植栽しています。平成18年4月~12月には、岡山大学資源生物科学研究所の榎本敬准教授らにより植生調査が行なわれ、園内には140科788種の植物が生育し、岡山県内の植物園で見られる種類数としてはトップクラスであることが確認されました。また、調査では絶滅危惧種12種を含む38科63種の「岡山県版レッドデータブック」に取り上げられている植物がこの園内に生育していることも確認されています。
創和会では、昨年5月に創立50年を迎えましたが、これを記念して、本年2月初めから湿地帯への遊歩道、展望デッキや、園内休息所、温室内展示室の工事を開始し、3月末に完成しました。
オグラセンノウ、トキソウ、ヤチシャジン、サクラソウなどが咲く湿地帯に設置された遊歩道は、インドネシアに植生する、屋外の雨や熱にも強く、耐久性も長い硬質材のセラカンバツで作られた木道です。写真のように道幅は車椅子でも通れるように76cmと広く、4ヶ所に車いす同士がすれ違う為の待機スペースも用意されています。木道の先端から左手の小道を上りやや高台になったところには展望デッキが設置されました。ここからは湿地帯の全貌を見渡すことができます。今はまだ枯れ草ばかりですが、夏に向ってこれからいろいろな草花が咲き始め、歩道の上からじっくりと観察することができるので、今から楽しみです。
また、植物園入口近くに設置されていた温室は、東側1/3を改装し、新たに展示室が設けられました。セラカンバツ製の床の室内は休息スペースや、植物園の説明や園内に植生する花などを紹介するための展示スペースとして利用する予定です。また、温室の傍には訪問者のために車椅子の方でも利用できるトイレなどがある休息室兼事務室も新設されました。
新たに整備された植物園を職員のみなさんもぜひ一度訪れ、絶滅危惧種など、普段見ることのできない草花を楽しんでみてはいかがでしょうか。