全国でヤチシャジンが自生していた県は、岐阜・愛知・岡山・広島だけでしたが、岐阜・愛知県では既に絶滅したそうです。岡山県下のヤチシャジンも、現在自生しているのを見た人がいないので、既に絶滅したのか、或いはどこかで未だ健在なのか全く不明です。
当園のヤチシャジンは広島県産で、20年ばかり前に採種した場所のものは既に絶滅してしまったようです。
昨年出版された「山と渓谷社のレッドデータプランツ」には当園のヤチシャジンの写真が出ています。これは、専属の写真家永田芳男氏が、当園のホームページを見られて態々撮影に来られたときの写真です。
また、当園のホームページを見られた愛知県の人が、愛知県でも絶滅したヤチシャジンを復活しようと、昨年来園され、種子と苗を持ち帰られました。
ヤチシャジンというのは谷地(湿地)に生える沙参(ツリガネニンジン)の意味で、何処でも湿地の開発によって絶滅しているようです。
当園では、最も貴重な植物として園内の湿原で大切に育てています。