モクゲンジは朝鮮・中国の植物ですが、日本では時々寺院や庭園に栽培されている他に、福井県・兵庫県・山口県の海岸に野生しているところもあります。日本の野生品は、本来の野生か栽培品の逸出したものか明らかではありません。
岡山県下では岡山の後楽園に栽培されているのが有名です。当園でも後楽園にならって10数本植えたのですが、長い間には樹下に多数の実生苗が育ってきています。
夏に大形の円錐花序を出し、黄色の花をたくさん付けます。花後袋状の実を付け、中に堅くて黒い球状の種子が何個か入っています。中国ではこの堅い黒い種子で数珠を作るのだそうです。
葉がセンダンに似た複葉であることと、種子で数珠を作るところからセンダンバノボダイジュ(センダン葉の菩提樹)の別名もあります。
モクゲンジという変な名前はムクロジの漢名の音読みから来たもので、反対にムクロジの方はモクゲンジの漢名に由来するのだそうです。なんともややこしい話です。