本州・四国・九州から朝鮮・台湾・中国・ヒマラヤ・アフガニスタンにかけて広く分布する落葉高木で、岡山県下ではほぼ全域の山地に自生しています。
6~7月、小枝の先に白い多数の小花を、径8~14cmの散房花序の咲かせ、樹冠を白く覆いますので、遠くからでもその所在を知ることができます。
クマノミズキ(熊野水木)の名前は、和歌山県の熊野の水木という意味ですが熊野の地名には深い意味は無いようです。ただ、地名にミズキを付けた植物が多い(例えば土佐・高野・日向・霧島等で、これらはすべてミズキ科ではなくマンサク科です)ので熊野とつけたそうです。また水木と言うのは樹液が多いところからそう呼ばれています。 自宅の狭い庭に植えたクマノミズキが大木になり、枝を張るので少し邪魔にはなりますが、夏には木陰をつくりますので大変涼しく、樹下の山野草もよく育ちますし、向かいの高層マンションからの目隠しにもなり、大変重宝な木だと思っています。毎年冬には庭師が来て庭木の剪定をしてくれますが、面白いことに、春先になると、急にクマノミズキの枝先の切り口から樹液が噴出すようになります。
暫くの間この木の下は雨傘がないと通れないくらいです。水木と名付けた昔の人の知識の深さには感銘させられました。 園内には、1978年(昭和53年)に、新見市産のクマノミズキを挿し木して育てたものが大きく育っています。