ナガサキアゲハ
Papilio memnon thunbergii
開長 110-140mm
徐々に北へ向けて分布を広げているチョウのひとつで、県内での最初の目撃記録は、1951年9月18日倉敷西小学校(倉敷市中央(旧・新川町))でのものです。その後、1962年8月10日倉敷市連島山北面の山すそでの採集が岡山県下初記録になり、1970年代には岡山県にも広く定着しました。
戦前は九州に生息するチョウといった認識でしたが、徐々に北上し1980年代に関西へ、2000年にはついに関東にまで進出しました。年毎に北限となった地域の年平均気温を調べると、ほぼ同じ範囲(14.5〜16.3度)を示しており、年代を追って同じような温度条件の所まで北上していることがわかってきました。温暖化に伴なって、分布を拡大してきたと思われます。倉敷付近では、以前は黒っぽいアゲハはクロアゲハかカラスアゲハでしたが、今では多くがナガサキアゲハとなっています。幼虫は、栽培ミカン類の葉を好んで食べます。
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