ヒメハルゼミ
Euterpnosia chibensis chibensis
体長(翅端まで) 30-35mm
[岡山県RDBカテゴリー:準絶滅危惧]
ハルゼミといえば、倉敷付近では4月下旬ともなれば、マツの混じった雑木林でにぎやかに合唱が始まりますので、よく知られています。昆虫館の関連施設である重井薬用植物園(倉敷市浅原)でもしっかり楽しむことができます。ヒメハルゼミはハルゼミと大きさや形態が似かよっており、分類的には近縁とされていますが、生息地はかなり限られており、「全国的な発生地域ではシイ、カシ、サクラ等の林で枝にとまり合唱する」とされています。
本種については、隣接する兵庫県、広島県ともに、1950年頃から、発生地が知られていました。現在とは違い、発生地と思われる地点を訪ねるのも容易ではない時代であり、永い間発見できないままになっていました。そして、やっと1985に年新見市河本ダムのダムサイトで1雌が記録され、これが県下初記録となりました。それ以後1992年旧勝田町(脱殻)、1995年旧作東町、2000年和気町での記録があり、これらの標本(写真)は5つめの新たなる分布地域での記録標本ということになります。なお、和気町の場合は、以前に「和気町長田神社社叢の群鳴き」として鳴き声の報告がなされていました。 |