コガネムシ科の中には動物の糞や遺体、腐った植物などを食物とし、それを処理して自然に戻す役割をするグループがいます。センチコガネやマグソコガネ、エンマコガネのなかま等です。有名なのはファーブルの昆虫記に登場する「糞転がし」すなわちスカラベであろう。これら食糞性のコガネムシ科の昆虫を研究者や愛好家はフン虫といっています。 国内にはフン虫と呼ばれるコガネムシが約140種あまり生息しているのですが、牛など放牧の減少とともに数が減り、ほとんど見かけられなくなった種もかなりあります。一方、ペットの糞や生ゴミなどにはエンマコガネのなかまやセンチコガネがたくさん見られます。 フン虫は一般に黒か黒褐色の地味な色のものがほとんどで、美しいものはごく限られています。 センチコガネは漢字で表すと“雪隠黄金”であり、雪隠(せっちん)=便所のコガネムシということになります。名前からは汚い印象を受けますが、美しいものもいて、特に美しいのがオオセンチコガネです。 岡山県内に生息するセンチコガネ3種を昆虫館の標本から紹介します。
▲オオセンチコガネ 1963年 京都府牛尾山 [体長 19mm]
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